辨 |
ヤマナラシ属(ハコヤナギ属) Populus(楊 yáng 屬)については、ヤマナラシ属を見よ。 |
訓 |
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説 |
「第2次大戦中イタリアで、ヨーロッパクロヤマナラシ P. nigra (英名 black poplar)、その変種で樹形がほうき状となるセイヨウハコヤナギ var. italica (英名 Lombardy poplar)やアメリカクロヤマナラシ P. deltoides (英名 cottonwood)などを使った交雑が行われ、多数の早生の品種すなわちイタリアポプラが作り出された。さらに戦後、より多くの種を用いた育種が世界各国で大々的に進められ、多くのいわゆる改良ポプラの品種が作られた。」(世界大百科事典) |
誌 |
材は白くて軟らかく、マッチの軸木材。今日では、ほかに包装材・パルプ材などとして用いる。また、街路樹・防風林などとして、広く植栽されている。 |
『旧約聖書』の詩篇137に、バビロンの捕囚となった古代イスラエルの人々が、バビロンの流れのほとりに生えた柳の木に竪琴を掛け、故郷のシオンを思い出して涙を流した、とある「バビロンの柳」は、同属のコトカケヤナギ
P. euphratica (Balsamiflua euphratica) であったという。
ローマ時代には、ポプラは家々の前に植えられ、人々はその木陰で集会した。
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中国では、雄花の花序を薬用にする。ヤマナラシの誌を見よ。 |
日本では、ポプラの仲間を植栽するようになったのは、明治以降のこと。
文部省唱歌「牧場(まきば)の朝」(1932)に、
ただ一面に立ちこめた
牧場の朝の霧の海。
ポプラ並木のうっすりと
黒い底から、勇ましく
鐘が鳴るなる、かんかんと。・・・
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